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みことばの響き

終末は神との出会い 年間第33主日(マルコ13・24~32)

 1985年のこと。「ハレー彗星が76年に一度現れる」ということで、みんな興味津津でした。次に現れるのは2061年なので、私は生きてはいないでしょう。この彗星の存在を発見したのは、ハレーという人です。計算上のことで、実際に彗星が接近したのは、ハレーが亡くなった後のことでした。

 天文学が発達していない時代にあって、天体の変化は不吉なもの。日食、月食、流星など…。「太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は空から落ち、天体は揺り動かされる」(13・24~25)と。今年の7月、日食が起こりました。昔であれば、何か不吉なことが起こるのではと思ったでしょうが、今では一大イヴェントで、商魂たくましい人も数多くいました。

 旧約聖書の中で「天と地に、しるしを示す。それは血と火と煙の柱である。主の日、大いなる恐るべき日が来る前に、太陽は闇に、月は血に変わる。しかし、主の御名を呼ぶものは皆、救われる」(ヨエル2章~3章)。そう言えば、2000年になろうとした時、「世の終わりが来る」と不安を掻き立てる人たちもいました。確かに時の区切り目なので、そういう感じもしましたが、教会は大聖年を祝いました。その年を祝うことにより、暗い時代というよりも何か新しいものに向かうものがあったし、希望を感じさせるものでした。新しい時代に入ることにより、神との新たな出会いを感じさせるものです。

 今日の聖書のことばにも、「あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、人の子が戸口に近づいていると悟りなさい」(13・29)ということばが響いてきます。終末は神との出会いの時とも言えるのではないでしょうか。出会いは不安よりも喜びを感じさせてくれます。

 この時代には変わるものが数多くありますが、変わることのない神の言葉もあります。それに信頼することによって、私たちは希望を失わないで歩むことができます。世の終わりの不安よりも、希望に満ちたものをみことばから感じたいものです。

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