「タラントン」という用語が出てきますが、どれくらいの価値になるのでしょうか。「新共同訳」に記されている資料をもとに計算すると、「タラントン」は「ギリシアで用いた計算用の単位で、6000ドラクメに相当」と。さらに「ローマの銀貨で、1デナリオンは、1ドラクメと等価。(1日の賃金に当たる)」と記されています。ちょっと高いかもしれませんが、計算のしやすさを考慮して、一日の賃金を1万円で計算すると、1タラントンは約6000万円になります。2タラントンだと約1億2000万円。5タラントンでは約3億円。これらの数字から、1タラントンだけでも相当の金額になります。
さて5タラントンを預かった人はそれで商売をして、他に5タラントンをもうけます。約3億円で、別に3億円もうけた計算です。この人はかなり努力したのではないでしょうか。2タラントン預かった人も別に2タラントンをもうけていますから、この人も相当努力したことになります。ところが1タラントンを預かった人は、主人の金を隠し、そのまま差し出します。そして長い言い訳とともに、「御主人様、あなたは蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集められる厳しい方」だと、主人に謝るどころか、主人が悪い人のような言い方をします。相手を裁いていく姿勢は極めてファリサイ的、律法学者的ではないでしょうか。
私たちも種々のタレントをいただいています。それをほんとうに有効に活用しているでしょうか。「タラントン」は英語の「タレント」と共通するもので、もともとは「はかり」の意味でしたが、それが転じて「天賦の才能」を示したりします。
私たち一人ひとり、神様からいただいたタレントや恵みを種々の場で、役立てていきたいものです。