今年、二〇二二年五月二十九日から六月十九日まで、イタリアのローマ郊外にあるアリッチャで聖パウロ修道会の第十一回総会が開催されました。修道会にとって、「総会」は最も重要な出来事です。
総会は六年に一度おこなわれます。今回の修道会総会は、コロナ・ウイルスの世界的な蔓延の中で三度にわたって延期された後におこなわれました。本来は昨年の春に開催されるはずでしたが、夏に延期され、さらに今年の二月に延期され、そして五月から六月に延期されました。前総長、総統治、総会準備委員会のメンバーは大変な状況の中で、それでも準備を進めてきたのだと思います。
さて、総会には、これまでの総長、総統治メンバーをはじめ、各地の責任者(管区長・地区長たち)と選出された代表者などが一堂に集い、聖霊に導かれて、今後六年間の修道会の方針が定められ、この方針を託すのにふさわしい新しい総長と、彼を補佐する総顧問たちが選出されます。
総会は、直接には参加しない会員も含めて、修道会全体の集いです。長い準備の歩み、総会、その後の歩みにおいて、修道会全体、そして会員一人ひとりに珈主霊が働いてくださることを信じて歩み続けます。簡単な歩みではありません。わたしたちは弱く不十分な人間の集まりです。それぞれの考え方も異なります。その中で神が働いてくださるのです。そう、聖書が語っているとおり、イスラエルの民の歩みを通して、弟子たちとそれに続くキリスト者たちの歩みを通して、神が働いてくださったことを、彼ら自身が信じたように。
聖パウロ修道会は、今後六年間の歩みの土台として、わたしたちの「父親」であり、模範である使徒パウロのローマの教会への手紙12. 2を選びました。
「心を新たにして、自分を変えていただきなさい」。
神の恵み豊かな働きに信頼しながら、わたしたちは絶え間ない回心と心の刷新の歩みを続けていきます。しかも、それをわたしたちがゆだねられている「コミュニケーションの使命」を通して実現するよう努めます。だから、六年間の目標を以下のように定めました。
「神の言葉を聞くことによって、深い『メタモルフォジス』(変態、全面的な変化)の中にある世界との対話の中で、自分を変えていただくように身をゆだねつつ、わたしたちパウロ的『エディター』は、福音の喜びを預言的に告げ知らせるために、交わりの職人であるように努める」。
一節一節が密度の濃い内容であり、簡単に実現できるものでないことは、わたしたち自身が分かっているつもりです。だからこそ、師イエス・キリストヘの信頼、使徒の女王聖マリアと使徒聖パウロの保護、創立者・福者アルベリオーネ神父の取り次ぎ、そして何よりも皆様の祈りが不可欠です。
どうぞ、わたしたち聖パウロ修道会のこれからの歩みのためにお祈りください。