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みことばの響き

目を覚まし、よい準備を 年間第19主日(ルカ12・32~48)

 性格がせっかちだと、旅行や登山に出かける時など、いろいろなものを忘れたりします。分かってはいることですが、なかなか改善しないし、一生関わっていかなければならないことでしょう。

 ある年、友人が司牧をしている今市教会へ行きました。翌日、奥日光よりもさらに奥にある標高二千メートル近くの鬼怒沼(きぬぬま)へ行く約束をしていました。リュックサックはもとより、タオル、着替え、地図、クツなど、だいたいのものを準備して出かけたのですが、せっかちな性格のためか帽子を忘れているのに気づきました。幸い友人に借りて助かりましたが、いつも何かを忘れたりするものです。「帽子ぐらい」と軽く考えがちですが、山では日差しが強いため、帽子をかぶっていないと日射病にかかることがよくあります。当日は天気にも恵まれ、友人から借りた帽子はとても役立ちました。さらに6月ということで、下界は梅雨入り間近でしたが、標高二千メートル近くの沼地へ行くとまだ50センチほどの雪が残り、様相が全く違っていたのには驚きました。しかもここはまだ初春の装いで、人気(ひとけ)も少なく、熊がひょっこり現れてきそうな雰囲気でした。幸い、友人が熊除け防止の鈴を持っていたので、それで少しは安心しました。それがなかったら、今頃は熊の餌食になっていたかもしれません。もっとも熊だって、餌を選ぶでしょうが……。

 「あなたがたも用意していなさい。人の子は思いがけない時に来るからである」(ルカ12・40)。ふだんからどんな準備をしているか問いかけてくれることばです。せっかちな性格は治らないでしょうが、目を覚まし、絶えず準備していく心構えだけは肝に銘じたいものです。

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