カトリック教会では、5月を聖母マリアをたたえる「聖母月」と呼んでいます。
聖母マリアとはイエスの母のこと。英語でOur Lady、またフランス語でNotre Dameと呼んでいますが、どちらも「私たちの貴婦人」という意味です。
この起源については、いろいろな説があります。
美しい少女を5月に「メイ・クイーン」として選んでいたのが、「なんと言ってもいちばん美しいのは聖母だ」ということで、5月が聖母にささげられるようになったという説。
さらに、5月の新緑の美しい季節は、色とりどりの花々が咲き乱れる季節でもあります。ヨーロッパでは、古くからこの美しい5月は、聖母にこそふさわしい月と見なされ、「聖母月」と呼ばれるようになったという説もあります。
また、5月の1月間、毎朝、教会でロザリオの祈りをささげたり、聖母マリアの歌を歌ったりして、5月31日は、その締めくくりとして、荘厳にマリア行列をする教会もあります。
どのような説も習慣も、イエス・キリストに従い、最後まで忠実を尽くし、私たちの母となってくださった聖母マリアを思い、聖母に倣うように努めていきたいと願う人々の心から、この信心が自然に生まれてきたものと考えられます。