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そよかぜカレンダー

ご存知ですか? 今日は主の復活です

 復活祭です。私たちの信仰にとっていちばん大切な祭日です。

 この大切な復活祭、今年は皆さんにどんな恵みをもたらしてくれるのでしょうか。とても楽しみです。

 さて、今回は主の復活についてルカによる福音書を読みながら考えてみたいと思います。

 私は福音書を読む時、書いてあることを今起こっていることとして具体的に頭の中で思い描いてみるのが好きなのですが、ルカ24章もそうして読んでみることにします。すると不思議なことに気づかされます。24章に記されている出来事すべてが、一日のうちに起きたように書かれてあるのです。不自然なくらい長い一日になっています。それを実感するために、出来事を順に追っていくことにしましょう。

 明け方早く、まず婦人たちがイエスの墓に行きます(1節)。墓でイエスの復活を知らされた婦人たちは、墓から帰って皆にそのことを話します(9節)。その後、二人の弟子が60スタディオン(約11キロ)離れたエマオという村に向かいます(13節)。途中でイエスと出会い(弟子たちはイエスと気づきません)、話をしながら歩いて、ついにエマオに至ります(28節)。もうこの時点で夕方になり、日も傾いていました(29節)。しかし、それからが圧巻です。食事の席に着き、パンを裂いて渡された時にイエスであると気づいた弟子たちは、日も暮れたというのに、60スタディオンもの道を引き返してエルサレムの家に戻ります(33節)。そこで他の弟子たちと話をしていると、突然イエスが現われます(36節)。イエスは話し終えた後、皆をベタニアの辺りまで連れて行き、彼らを祝福しながら天に上げられていきます(51節)。皆はイエスを伏し拝んだ後、エルサレムに帰ります(52節)。これらすべてが一日に起きたこととして書かれてあるのです。エルサレムに帰り着いたのは夜中の何時だったのだろうか、と思わず考えてしまうほどの大変な一日です。

 では、これで復活の一日は終わるのかと思うと、ルカ福音書ではそうなっていません。そう、この一日は終わることなく、大きな喜びを伴う絶え間ない神の賛美(53節)、永遠の賛美へとつながっていくのです。弟子たちは、復活したイエスに出会うことによって、皆、終わることのない賛美の一日、つまり永遠へと導き入れられたのです。

 婦人たちや弟子たちは、復活したイエスに会う前は、「途方に暮れて」いました(4節)。二人の弟子は「暗い顔をして」いました(17節)。「物分かりが悪く、心が鈍く」、「すべてを信じられない者」でした(25節)。ところが、イエスに出会うと彼らの「心は燃え」始めます(32節)。イエスが裂いたパンを受け取ると「目が開け」ます(31節)。そして、イエスの祝福を受けると弟子たちは「大喜びで」(52節)、「絶えず……神をほめたたえ」るようになるのです(53節)。

 イエスの復活の一日、永遠への橋渡しとなるこの一日を生きることによって、どうしてよいかわからない失望は心を燃やす大きな喜びに変わり、不信仰は信仰に変わり、ついに永遠の賛美へと変わっていったのです。

 私たちも洗礼を受けた時、主の復活の長い一日にあずかり、永遠に消えることのない喜びを受ける者となりました。また毎年の復活祭に、いや毎日ささげられるミサの中で永遠の命のパンをいただくたびに、再びこの主の復活の一日にあずかる恵みを受けています。私たちには永遠への扉が開かれているのです。しかし、私たちの心は、弟子たちのように燃えているでしょうか。喜びに満たされ、絶え間なく神をたたえているでしょうか。それとも、まるで復活のイエスに出会わなかったかのように、暗い顔をして、失意に押しつぶされてはいないでしょうか。

 復活のイエスに出会ったからといって、私たちに苦しみがなくなるわけではありません。弟子たちも、この出会いから後、さまざまな苦しみを負っていきます。迫害、無理解、不和、分裂、失敗……。しかし、彼らの喜びの賛美の声は絶えることがありませんでした。彼らは、すでに永遠へと足を踏み入れてしまったのですから。

 最初の言葉をもういちど繰り返しましょう。

 この大切な復活祭、今年は皆さんにどんな恵みをもたらしてくれるのでしょうか。とても楽しみです。

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澤田豊成神父

聖パウロ修道会司祭。1965年、東京都目黒区生まれ。1996年、司祭叙階。教皇庁立グレゴリアン大学神学科修士課程で聖書神学を専攻、神学修士号取得。現在は編集をとおしての宣教に従事。東京カトリック神学院、聖アントニオ神学院講師。

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