序
日本でも、聖母マリアは多くの人に親しまれている。嫌いな人はほとんどいないのでは?
シスターの姿を見て「あ、聖母マリアみたい」という人も…。
聖母マリアにちなんだ芸術作品は数多くあります。
音楽では、「アヴェ・マリア」「マニフィカト」など。
「アヴェ・マリア」だけでも、グレゴリオ聖歌をはじめ、シューベルト、グノー、アルカデルト、バッハなど。
絵画にいたっては、たくさんの作品が描かれています。バチカン美術館の聖母に関連した絵画、フィレンツェのサンマルコ美術館には、「受胎告知」。
彫刻ではピエタ:東京カテドラルにはそのコピーが安置されている。
受肉と聖母マリアとの関りを聖ヨハネ・クリゾストモは次のように語っています。「おお、神のひとり子、みことばよ。あなたは不死のかたでありながら、わたしたちの救いのために、聖なる神の母であり、終生おとめであるマリアの胎内で人間となられました。聖なる三位一体のおひとかたであり、御父と聖霊とともにたたえられるかた、わたしたちをお救いください。」
1 「神の母」
聖マリアが「神の母」と言われるのは、神の永遠の御子イエスが、聖マリアから人間性をお受けになった。神である方が人となられた。そのため、イエスの母である聖マリアは人でありながら、他の被造物にはるかにまさる尊厳を与えられている。
マリアは、イエスの母であり、真に神の母である。事実、聖霊によって宿られたかた、そして真にマリアの子となられた方は、父である神の永遠の子である。
431年、ネストリウスの異端に対して、エフェソの公会議(431年)が正当な教義(神の母)を決めていった。
2 処女マリア
聖母マリアは処女でありながらキリストの母となり、そののちも常に処女でいらっしゃった。
おとめマリアが、聖霊の働きにより、男性の協力なしに、自分の胎内に永遠の御子を宿したことを意味します。実際、お告げのときに天使はマリアに言いました。「聖霊があなたに降る」(ルカ1・35)
聖霊の働きについては、マタイ福音書にも見られます。マタ1・18「聖霊によって身ごもっていることが分かった。」
3 無原罪のマリア
神は聖マリアを御子の母とするために、原罪を免れさせ、神の恵みに満たされました。これらの恵みは神に予見された御子の功徳によるものです。
懐胎の時から前もって原罪から守られていた。
この教義は1854年12月8日、ピオ九世が決定しました。
1858年2月11日、聖母がルルドで14歳だったベルナデッタに出現なさいました。ベルナデッタの問いに「私は無原罪の母マリア」と答えたという。「無原罪」(Immaclata Conception)は難しい教義ですが、少女ベルナデッタは、暗記したことを忘れないように、「無原罪の聖母マリア、無原罪の聖母マリア」と繰り返し、そのことを主任司祭に語ったそうです。主任司祭は少女のベルナデッタがこの教義について語ったことに、非常に驚いたといわれます。「無原罪の聖母」についての教義は制定されたばかりで、14歳の少女にはわかりにくい言葉だった。主任司祭は「どうしてこの少女が知っているのだろう」と。
4 被昇天の聖母マリア
聖母マリアは、地上の生活を終えた後、その霊魂もからだも天国の栄光に上げられました。これを「聖母マリアの被昇天」と言います。教義が決定されるまでには、長い年月がかかりましたが、1950年、ピオ12世によって制定されました。
5 聖母にちなんだ祝日・記念日
神の母聖マリア(1月1日)
主の奉献(2月2日)、ルルドの聖母(2月11日)
日本の信徒発見の聖母(3月17日)、神のお告げ(3月25日)
聖母の訪問(5月31日)
聖母の被昇天(8月15日)、天の原后聖マリア(8月22日)
聖マリアの誕生(9月8日)、悲しみの聖母(9月15日)
ロザリオの聖母(10月7日)
聖マリアの奉献(11月21日)
無原罪の聖マリア(12月8日)