典礼は年間第33主日に入り、来週は「王であるキリスト」をお祝いします。つまり、世の終わりを考えさせる内容が福音に盛り込まれています。季節的にも、日没が早くなり、暗くなる。そういう状況において、今日のみことばでも、「苦難」「太陽が暗くなる」「星は天から落ちる」など、世の終わりを連想させる内容が語られています。
三年前、休暇をとって長崎へ行った時のことです。ふだん、兄は新聞記事について他の人に話しかけたりしませんが、よほど面白かったのでしょう、次のように話してくれました。「嫁と姑」に関するものです。「ある75歳になるおばあさんが最近水泳を始めたそうです。その理由が何ともおかしなもので、将来、死んで『三途の川』を渡る時、向こう岸まで渡りきれないかもしれないから、生前から練習しておきたい」とのことでした。するとお嫁さんは姑のインストラクターに「泳ぎ方はしっかりと教えてください。でもターンの仕方だけは教えないでください。またこの世界に戻ってくると困りますので…」とのことでした。ちょっと笑ってしまいました。嫁と姑はいつの時代での、いろいろな苦労があるのかもしれません。
やはり休暇中のことですが9月11日、一人の叔母に病者の塗油を授けました。一年近く寝たきりで、反応もだんだん低下し、いとこからこの秘跡を依頼されました。秘跡の時には目を閉じたままでしたが、終わる頃にはかすかに目を開けていました。だんだん死に向かっているのが感じられましたが、同時にこの秘跡への喜びも感じられました。それから十日くらいした9月21日、生涯を閉じていきました。よい死の準備ができたのかもしれません。
世の終わりや自分の生涯が終わる時、私たちはどんな準備をしているでしょうか。