アルベリオーネ神父は、生涯病気や創立の事業などのために、心身ともに苦しんだが、その際には次のような短い祈りをしばしば口ずさんでいた。
「心の底から、みんなのために償いを、浄化をさせてください」と。
聖パウロが言うように、キリストの苦しみに欠けているものを、そのからだで償っていたのである。
そしてアルベリオーネ神父は、使徒業とご聖体に緊密に結ばれた償いを、聖パウロ会の信心に組み入れることをすすめていた。
これに加えて晩年には次のようなことばを口にしていた。
「私をあわれんでください。あわれな私のために祈って下さい。……天国のことに心をあげなさい。もう私はほかのことはできないが、祈ることだけはできる」と言うのであった。
そして、まわりの人にも、「祈りなさい。成聖に努めなさい。私たちの仕事と節制の上に築かねばならない」とすすめていた。
・池田敏雄『マスコミの先駆者アルベリオーネ神父』1978年
現代的に一部不適切と思われる表現がありますが、当時のオリジナリティーを尊重し発行時のまま掲載しております。