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教皇フランシスコ逝去 88歳 バチカンが発表

【ローマ発】2025年4月21日(月)、バチカンはローマ教皇フランシスコが同日午前7時35分、88歳で死去したと発表しました。教皇はバチカン内の居住施設「カサ・サンタ・マルタ」で静かに息を引き取りました。

 教皇は2025年2月以降、呼吸器感染症や肺炎の治療のため複数回にわたってローマ市内の病院に入退院を繰り返しており、ここ数週間は健康状態が深刻視されていました。

 教皇フランシスコは1936年12月17日、アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。本名はホルヘ・マリオ・ベルゴリオ(Jorge Mario Bergoglio)。イエズス会に所属し、神学教育や司牧の経験を重ね、1998年にブエノスアイレス大司教に就任。2001年には枢機卿に任命されました。

 2013年3月13日、ベネディクト16世の退位を受けて開かれたコンクラーヴェで第266代ローマ教皇に選出。カトリック教会史上初のアメリカ大陸出身、かつイエズス会出身の教皇となりました。また、非ヨーロッパ出身の教皇としては約1300年ぶりという歴史的な選出でした。

 教皇フランシスコは「貧しい人々の教会」「出かけていく教会」を掲げ、カトリック教会の枠を超えて広く社会に影響を与えました。環境問題や経済格差、難民支援、LGBTQの人々への配慮など、現代的課題に積極的に向き合い、柔軟で思慮深い姿勢で知られました。

 宗教間対話にも力を注ぎ、2019年には日本を訪問。長崎と広島では核兵器廃絶を強く訴え、東京では震災被災者らと面会するなど、平和のメッセージを広く発信しました。

 フランシスコ教皇の死去を受け、世界各国の宗教指導者や国家元首、一般市民から追悼の声が寄せられています。バチカンは、「教皇は慈しみと希望の証人であり続けた」と述べ、その生涯を称えました。

 教皇フランシスコは、カトリック教会の伝統を守りつつも、世界と真摯に対話し続けた現代的な教皇でした。そのメッセージと行動は、宗教を超えて多くの人々に希望と指針を与えました。

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