*「神の制定による教会的役職は、種々の位階において、古代から司教、司祭、助祭と呼ばれる人々によって執行されます」。祭司職への役務として参与には、二つの段階があります。司教職と司祭職です。助祭職は両者を助け、両者に奉仕する職務です。
1 司教叙階
*「初めの時から教会の中で実行されていたこれらの種々の役職の中で第一位を占めるものは、伝承が証言しているとおり、司教職に立てられ、起源から続いている継承によって使徒の種からのぶどうづるを有する人々の任務です。」。
*第二バチカン公会議は、「司教聖別によって叙階の秘跡の充満、すなわち教会の典礼の慣習と聖なる教父たちのことばによって最高の祭司職、聖職の総括と呼ばれている充満が授けられる」と教えています。
*「司教聖別は、聖化の任務とともに、教える任務と治める任務をも授けます。事実、按手と聖別のことばによって聖霊の恩恵を授けられ、聖なる霊印をしるされる結果、司教たちが優れたそして見える方法で師・牧者・大祭司であるキリストご自身の代理者となり、その役目を受け持つ者となります」。したがって司教は、彼らに与えられた聖霊により、信仰の真実にして真正な師、祭司、牧者とされたのです。
*司教職の身分と集団的性格とは、わけても、新しい司教が聖別式に参与する数人の司教によって叙階されるという教会の古くからの慣習によってしることができます。司教の合法的叙階には、今日ではローマ司教の特別な介入が必要です。
*各司教は、キリストの代理者としてそれぞれにゆだねられた部分教会の司牧にあたりますが、同時に、兄弟であるすべての司教とともに、全教会のための配慮を団体としても行います。
2 司教の協力者である司祭の叙階
*「司祭の務めは司教の団階に結ばれているものですから、キリストご自身がそのからだを建設し、聖化し、統治される権威に参与するのです。したがって司祭の祭司職はキリスト教入信の諸秘跡を前提としますが、別個の秘跡によって授与されるものであり、この秘跡によって司祭は、聖霊の塗油により特別な霊印(カラクテル)をしるされ、こうして、頭であるキリストの代理として行動することができるように、祭司キリストの姿に似たものとなります。
*司祭は叙階の秘跡により、キリストが使徒たちにゆだねた世界的規模の使命にあずかります。叙階の秘跡で受けた霊的賜物は、司祭に限られた狭い範囲の使命にではなく、「地の果てまで」の広大な世界的な救いの使命のために準備し、至るところで福音を宣教する心構えを常に持つようにさせます。
*司祭は特にエウカリスチアの祭礼または集会の儀においてその聖務を執行し、そこではキリストの代理者として行動し、キリストの神秘を宣布し、信者の祈りをその頭のいけにえに結び合わせ、新約の唯一の犠牲、すなわち自らの汚れなきいけにえとして父に一度ささげられたキリストの犠牲を、主の到来までミサの犠牲において現存するものとなし、それを適用させます。
*司祭は司教職位の賢明な協力者、その助手、その道具であって、神の民に仕えるために召され、自分たちの司教とともに一つの司祭団を構成し、種々の職務に携わります。
3 「奉仕の務めのための」助祭の叙階
*聖職位階の下位の段階に助祭があり、祭司職のためではなく、奉仕の務めのために按手を受けます。助祭叙階では司教だけが按手しますが、これは、助祭は「奉仕」の任務にあって特に司教に結ばれていることを表します。
*助祭は特別なしかたでキリストの使命と恵みに参与します。叙階の秘跡は助祭に、だれも消すことのできない霊印をしるし、すべての人の奉仕者となられたキリストに似た者にします。助祭の主な職務は、秘跡、特にエウカリスチアの祭儀が行われる時に司教と司祭を補佐し、聖体を配り、結婚式に立ち会って祝福し、福音を宣言し、説教し、葬儀を司式し、愛の種々の奉仕に献身することです。