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カトリック入門

第193回 ゆるしの秘跡の役務者【動画で学ぶ】※レジュメ字幕付き

*キリストが使徒たちに和解の奉仕職をゆだねられたので、使徒たちの後継者である司教とその協力者である司祭とが、この勤めを続けています。司教と司祭は、叙階の秘跡の力によって、「父と子と聖霊のみ名によって」すべての罪をゆるす権能を与えられています。

1 役務者
*罪のゆるしは、神との和解だけではなく教会との和解をももたらします。したがって、部分教会の見える頭である司教が、昔から、とりわけ和解の権能と奉仕職とを持つ者と考えらえてきたのは当然のことです。司教はゆるしの秘跡の規律の統制者です。その協力者である司祭は所属の司教(場合によっては修道会長上)、あるいは教皇から教会法に基づいてその権能を授けられ、ゆるしを与えます。
*司祭はゆるしの秘跡を受けるように信者たちを励まし、また、信者が良識をもって願うたびに快くそれに応じる用意があることを示さなければなりません。
*司祭がゆるしの秘跡を授けるときには、迷った羊を探すよい牧者、傷に包帯をするよいサマリア人、放蕩息子の帰りを待ちわび、その帰りと歓迎する父親、えこひいきせずに公正で、しかも憐み深い評決をくだす裁判官の務めを果たします。一言でいえば、司祭は罪びとに対する神の慈悲のしるしであり、道具なのです。
*聴罪司祭は神のゆるしを与える主人ではなく、そのしもべです。この秘跡を授ける者は、キリストの意向と愛とに一致していなければなりません。また、キリスト教的な生活の確かな認識、人間のことがらに関する経験、罪びとに対する尊敬と思いやりとを持ち、真理を愛し、教会の教導権の教えに忠実で、悔い改める者を忍耐強く治癒と十分な成熟とに導き、さらにキリストの憐みに委ねながら、当人のために祈り、償いをしなければなりません。
*この務めの微妙さや偉大さ、また人に対して払うべき尊敬などを考慮して、教会は、告白を聴く司祭が告白された罪について絶対の秘密を守ることを命じています。これに背けば厳罰を科されます。聴罪司祭はまた、告白によって知りえた告白者の生活についての情報を用いること禁じられています。例外を認めないこの秘密は、「秘密的封印」と呼ばれます。告白者が司祭に打ち明けたことは、秘跡によって「封印された」ままだからです。

2 ゆるしの秘跡の効果
*「ゆるしの秘跡の効果は、私たちに神の恵みを取り戻させ、崇高は愛の絆で私たちを神に結ばせることにあります」。したがって、この秘跡の目的であり結果として与えられるものは、神との和解です。痛悔と敬謙な心をもってゆるしの秘跡を受ける人には、「良心の平和と静けさ、それに深い霊的慰めが与えられます」。神との和解の秘跡は真の「霊的復活」をもたらし、こうして、神の子としての祈りの尊厳と宝とが取り戻されます。その宝の中でもっとも貴重なものは、神との友愛です。
*ゆるしの秘跡、私たちを教会と和解させてくれます。罪とは兄弟的交わりを破ったり傷つけたりするものです。ゆるしの秘跡はこの交わりを取り戻させてくれます。この意味で、教会の交わりに再び受け入れられる者を癒やすだけでなく、所属の一員の罪によって傷つけられた教会のいのちに活力を取り戻させる効果もあります。罪びとは、聖徒の交わりの中に再び受け入れられ、あるいはその交わりの中で強められ、まだこの世を旅する状態にあるかすでに天上の祖国にたどり着いている人たちによって成り立っている、キリストのからだの肢体同士の霊的宝の分かち合いによって強められます。
*ゆるしの秘跡で、罪びとは神の憐み深い裁きに自分をゆだねながら、この世にいのちの終わりに受ける裁きを何らかの形で前もって受けています。実際に今、この世で、死といのちのどちらを取るかという選択の機会が私たちに与えられます。大罪は人を神の国から締め出しますが、ただ回心の道を歩む人だけが神の国入ることができます。悔い改めと信仰とによってキリストに回心した罪人は、「裁かれることなく」(ヨハ5・24)、死からいのちに移ります。

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