書籍情報、店舗案内、神父や修道士のコラムなど。

カトリック入門

第189回 悔い改めと和解の秘跡【動画で学ぶ】※レジュメ字幕付き

序)罪とは、何よりも神への反抗であり、神との交わりを断つことです。同時に、罪は教会との交わりをも損ないます。したがって、回心すれば神のゆるしが与えられると同時に、教会との和解がもたらされます。それはゆるしと和解の秘跡によって実現されますが、その典礼もそのことが分かるような形になっています。

1 神だけが罪をおゆるしになる
*神だけが、罪をゆるすことがおできになります。イエスは神の御子であられるので、ご自身のことについて、「人の子は地上で罪をゆるす権威を持っている」(マルコ2・10)と言われました。そして、「あなたの罪はゆるされる」(マルコ2・5)ということばをもって、神のこの権能を行使しておられます。さらには、神としてのご自分の権威によってある人々にこの権能を与え、ご自分の名でそれを行使させられるのです。
*キリストご自身の尊い血によって私たちのためにゆるしと和解を手に入れてくださいましたが、教会全体が自分たちの祈り、生活、行動を通して、そのゆるしと和解のしるしとなり道具となることを望まれました。それにもかかわらず、キリストはゆるしの権能の行使を、使徒たちにお委ねになりました。彼らは「和解のために奉仕する任務」(二コリ5・18)を授かったのです。使徒たちはキリストの代理者として派遣されていますが、その使徒たちを通して「神と和解させていただきなさい」(二コリ5・20)と勧め、嘆願しておられるのは、神ご自身なのです。

2 教会との和解
*イエスは宣教活動の間、人の罪をおゆるしになられたばかりでなく、そのゆるしの効果をもお示しになりました。すなわち、罪によって神の民の共同体から遠ざけられていた罪人を、再びもとの共同体に迎え入れてくださいました。イエスが罪人たちをご自分の食卓に招かれたばかりでなく、ご自身も罪人たちの食卓に加わられたことが、その明白なしるしです。それは、神のゆるしと神の民が住む入江への帰還とを強く表す行為でした。
*キリストは、罪をゆるす権能を使徒たちに委ねながら、罪人を教会と和解させる権能をもお与えになります。使徒たちの務めのこの教会的側面は、キリストがシモン・ペトロに言われた次の荘厳なことばに特に表れています。
 「わたしはあなたに天の国のかぎを授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる」(マタイ16・19)。
*「つなぐ」と「解く」という語には、あなたがたが共同体から退ける者は神との交わりからも退けられ、あなたがたが再び共同体に迎え入れる者を、神もまたご自分との交わりに迎え入れるでしょう、という意味があります。教会との和解は神との和解と切り離すことができません。

3 ゆるしの秘跡
*キリストはゆるしの秘跡を、ご自分の教会に属するすべての罪人のために制定なさいました。まず第一に、洗礼後に大罪を犯して、洗礼の恵みを失い、教会の交わりを傷つけた人々のためです。ゆるしの秘跡は罪人に、回心し、再び義とされる恵みを見いだす新たな可能性を提供するものです。教父たちはこの秘跡を、「恵みの喪失という難破の後に投じられる、(救いの)二枚板」と呼んでいます。
*ゆるしの秘跡の規定や祭儀は時の流れとともにいろいろと変わってきましたが、それでも同じ基本的構造が認められます。そこには二つの本質的要素が含まれています。その一つは、聖霊の働きのもとに回心する人間の行為、痛悔、告白、償いであり、他の一つは、教会の仲介による神の行為です。教会は司教と司祭たちを介し、イエス・キリストのみ名によって罪のゆるしを与え、償いを定めますが、同時に罪人のために祈ったり、罪人とともに償いを果たしたりもします。こうして、罪人は再び癒やされて、教会の交わりに迎え入れられます。
※ゆるしの言葉
 「全能の神、あわれみ深い父は、御子キリストの死と復活によって世をご自分に立ち返られせ、罪のゆるしのために聖霊を注がれました。神が教会の奉仕の務めを通して、あなたにゆるしと平和をあたえてくださいますように。私は父と子と聖霊のみ名によってあなたの罪をゆるします」。

RELATED

PAGE TOP