パウロ家族は、創立者福者ヤコブ・アルベリオーネの霊性と使命を基に、メディアを用いた福音宣教を担う重要な役割を果たしています。アルベリオーネの「技術とメディアは神から遠くない」という先進的なビジョンは、今日のデジタル時代においても有効であり、人工知能やソーシャルメディア、仮想現実などを活用した革新的な宣教が求められています。現代の課題に対応するためには、霊性と技術の両面で優れた人材の育成や協力的な取り組みが必要であり、私たちは「イエスを生き、与える」という使命を果たすため、アルベリオーネの精神を再び現代に生きるべきです。
パウロ家族:教会のメディア宣教における重要な役割
パウロ家族は、教会という大きな体の中で、メディアを通じた福音宣教において欠かせない役割を果たしています。創立者である福者ヤコブ・アルベリオーネを祝うこの機会は、彼の遺産やビジョン、使命を称えるだけでなく、私たち自身がその業を継承し続ける決意を新たにする瞬間でもあります。パウロ家族は、19世紀と20世紀を分かつ夜、聖体の中から生まれました。この聖体から生まれたという事実は、私たちが聖体から切り離されない限り、この霊性が消えることはないことを示しています。聖体の臨在、光、力こそがパウロ家族を動かし、導いているのです。
福者アルベリオーネの天国への誕生日を祝う際、私たちは彼の死を追悼するのではなく、「イエスを生き、与える」という彼の使命とビジョンを再発見し、それを現代に再び生きる決意をする必要があります。この記念日は、私たちが創意工夫を持って、アルベリオーネの精神を再び活性化し、宣教に新たな息吹を与えるための機会です。
時代を超えたビジョナリー:福者ヤコブ・アルベリオーネ
カトリック教会は、福音宣教に多大な貢献を果たした人物を尊敬してきました。福者ヤコブ・アルベリオーネは、その中でも特に重要な人物として際立ちます。彼のビジョンと業績は、教会の牧会、コミュニケーション、そして福音宣教の使命と深く共鳴し続けています。メディアや霊性、使徒的情熱への彼の先駆的なアプローチは、現代においても非常に重要です。アルベリオーネは「技術やメディアは神から遠ざかった領域ではない」と確信していました。この信念は、急速な技術革新と大量コミュニケーションの時代にあって、メディアを脅威ではなく、福音を効率的に伝えるための手段と見なす姿勢をもたらしました。
現代の課題と機会
今日、デジタルメディアが支配する時代において、教会が福音を広める上で直面する課題と機会は、アルベリオーネの原則を再認識する重要性を示しています。教会のメッセージが福音の真実に忠実であることを保証しつつ、デジタルプラットフォームを活用して誤情報に対抗し、グローバルな聴衆と対話することが求められます。アルベリオーネのビジョンは、時代の徴候を読み取り、福音のメッセージを文化や世代に合わせて文脈化する重要性を思い出させます。
アルベリオーネの霊性を生きる
聖パウロ修道会は、アルベリオーネのビジョンを実現するために特別な責任を負っています。これまでの数十年間、この修道会は出版物からデジタルプラットフォームに至るまで、キリスト教のメッセージを伝える多様な手段を開発してきました。しかし、人工知能や仮想現実、ソーシャルメディアのアルゴリズムが主流となる現代においては、革新を追求しつつ、霊的な基盤を失わないことが重要です。
デジタル時代における宣教
アルベリオーネのメディア活用の先駆的な姿勢は、今日のデジタル時代における技術革新へのコミットメントを求めています。人工知能、マルチメディアコンテンツ、ソーシャルメディアプラットフォーム、メタバースなどを活用して、仮想空間での礼拝、黙想会、信仰教育プログラムを実現することが可能です。
これを実現するためには、現代のメディア使徒を育成し、霊性と技術的専門性を統合した人材育成することが必要です。ソーシャルメディア管理、映画制作、デジタルマーケティングといった専門的なトレーニングプログラムを提供し、神学や心理学、社会学、最新技術の知識を持つ新しい世代の宣教者を育てることが急務です。
革新と協働の必要性
私たちが今日直面する課題に創造的かつ効果的に対応するには、地域や世界の問題に関わり、アルベリオーネの時代の徴候を読む精神に基づいて、協力的な取り組みを奨励することが不可欠です。これにより、リソース共有、アイデア交換、共同コンテンツ制作のためのプラットフォームを確立し、相乗効果を高めることができます。
結論:アルベリオーネのビジョンを生きる
福者ヤコブ・アルベリオーネの革新精神と深い信仰は、急速に変化する現代社会で福音宣教を再構想する教会とパウロ家族の道筋を照らしています。「イエスを生き、与える」という使命を果たすために、私たちはアルベリオーネの遺産に忠実でありつつ、21世紀の課題と機会に対応する必要があります。それは、革新、協力、そして深い信仰の精神を持って取り組むことを意味します。
ジョンソン・ヴァッタクンネル(ローマ総本部召命養成委員長、司祭)