序)感謝の祭儀は二つの部分に分けて展開されますが、根本的には一つの流れです。
①信者が集まって行われることばの典礼、すなわち、朗読、説教、共同祈願。
②感謝の典礼、すなわち、パンとぶどう酒の奉納、聖別のための感謝の祈り、聖体拝領。
<式次第>
1 全員の集合
*キリスト者は感謝の祭儀のために、一堂に会します。集会の長は祭儀の主宰者キリストご自身です。キリストは新しい契約の祭司で、目には見えなくても祭儀全体を自ら主宰されます。司教または司祭は、キリストに代わって(頭であるキリストの代理者として)集会を司式し、朗読の後で説教し、供え物を運ぶ者、聖体を配る者など、全会衆として積極的に役割を果たします。
2 ことばの典礼
*ここでは「預言者の書」すなわち旧約聖書と、使徒たちの回想録」つまり使徒たちの手紙と、福音書が朗読されます。説教は、このことばを実際の神のことばとして受け入れ、これを実行するように励ますものです。続いて、すべての人の執り成しの祈りが行われます。これは、まず第一に「願いと祈りと執り成しと感謝とをすべての人々のためにささげなさい。王たちやすべての高官のためにもささげなさい」(一テモ2・1~2)という使徒パウロのことばに基づくものです。
3 供え物の奉納
*パンとぶどう酒が祭壇に運ばれます。これは、時としては行列をして行われます。このパンとぶどう酒はエウカリスチアのいけにえにおいてキリストのみ名で司祭によってささげられ、キリストのからだと血になるものです。最後の晩餐で「パンと杯を取られた」キリストと同じ行為をするのです。
4 募金
*当初から、キリスト者はエウカリスチアのためのパンとぶどう酒の他に、困っている人々への施し物を持参していました。この施し物を集める習慣は、わたしたちを豊かにするために貧しくなられたキリストの模範に基づいたものです。
5 奉献文
*感謝の祭儀の祈り、すなわち感謝と聖別の祈りで、祭儀はその中心および頂点に達します。
*叙唱で教会は、そのすべてのわざ、創造、贖い、聖化のゆえに、キリストによって聖霊のうちに、御父に感謝をささげます。
6 聖霊の働きを求める祈り(エピクレシス)
*この祈りで教会は、パンとぶどう酒の上に聖霊(あるいは御父の祝福の力)を遣わしてくださるように御父に祈ります。それは聖霊の力によってパンとぶどう酒がイエス・キリストのからだと血になり、感謝の祭儀にあずかる人々をただ一つのからだ、ただ一つの心となるためです。
7 記念(アナムネシス)
*記念では、イエス・キリストの受難、復活、昇天の記念を行い、私たちを御父と和解させてくださる御子のささげ物を御父にささげます。
*取り次ぎの祈りで教会は、この祭壇が天と地の全教会、生ける人、死せる人、また教会の牧者である教皇、司教、司祭、助祭との交わりのうちに行われていることを表明します。
8 聖体拝領(コムニオ)
*主の祈りとパンを裂いた後に行われる聖体拝領(コムニオ)で、信者は「天からのパン」と「救いの杯」、すなわち、「世を生かすため」にご自分を渡されたキリストのからだと血をいただきます。