序)堅信をまだ受けていないすべての受洗者が堅信の秘跡を受けることができ、また、受けなければなりません。洗礼、堅信、聖体は一つにつながるものです。
1 堅信を受ける人
*ラテン教会のここ数世紀の伝統に従えば、堅信を受けるには「物事をわきまえる年齢」に達していることが必要です。しかし、死の危険がある場合は、まだその年齢に達していない幼児にも堅信を授けなければなりません。
*堅信を「キリスト者としての成熟の秘跡」と呼ぶ人がいますが、信仰上の成熟と年齢による成熟とを混同してはなりません。また洗礼の恵みは、無償の、個人のいさおしによらない選びの恵みであって、これが有効になるための「批准」は不必要であることを忘れてはなりません。
*堅信の準備にあたっては、キリスト者がキリスト教的生活の使徒的責務をさらによく担えるように、キリストとのより緊密な一致、聖霊とその働き、その賜物、その呼びかけにいっそう親密に応じる態度を培えるよう導くことを目指さなければなりません。小教区共同体には受堅者の準備に関する責任が委ねられています。
*堅信を受けるには、成聖の恩恵の状態になければなりません。賜物として聖霊をいただくためには、ゆるしの秘跡を受けて清められることが勧められます。また聖霊の力と恵みを素直に進んで受けるよう、熱心な祈りによって準備しなければなりません。
*洗礼の時と同様、堅信の場合にも、受堅者は代父または代母の霊的援助を求める必要があります。二つの秘跡の一体性を強調するため、洗礼の時と同じ代父母であるのがよいでしょう。
2 堅信の役務者
*堅信の本来の役務者は、司教です。
東方教会では、通常、洗礼を授ける司祭が一つの儀式の中で堅信も授けられます。ただし、総主教または主教によって聖別された聖香油を用います。これは教会の使徒的一致を表し、その一致が堅信の秘跡によって強められるわけです。ラテン教会でも、成人洗礼の場合や堅信の秘跡を有効に受けていない他のキリスト教宗派の受洗者がカトリック教会の一員として受けいられる場合には、同じ規則が適用されます。
*ラテン典礼では、堅信を授ける者は通常、司教です。必要な場合には、司教は司祭に堅信を授ける権限を与えることができますが、堅信式が洗礼式と別の時に行われるようになったのは、司教がそれを授けるためであったことを忘れないようにしなくてはなりません。司教は使徒の後継者で、叙階の秘跡を十全的に受けています。堅信の秘跡を司教が行うことによって、この秘跡が受堅者を教会と、その使徒的起源と、キリストをあかしする使命とにいっそう緊密に結びつける効果を持つものであることをよく表すことができます。
*キリスト信者が死の危険にある場合は、どの司祭でも堅信を授けることができます。教会は、自分の子らがたとえ幼児であっても、だれ一人として、キリストの満ち溢れる賜物を聖霊から受ける前に、この世を去ることを望まないのです。