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みことばの響き

「行って、宣べ伝える」へ 復活徹夜祭(マルコ16・1~7)

 マグダラのマリア、ヤコブの母マリア、サロメは、イエスが葬られた墓へ行きます。ところが、墓の入口の石が脇へ転がされていて、白い長い衣を着た若者が右手に座っているのが見えたと描写されています。イエスが復活なさったことを告げます。若者が「さあ、行って、弟子たちとペトロに告げなさい」(マルコ16・7)と語ります。

 「行って、告げる」という似たような表現は他の箇所にも出てきます。例えば「マリアは、イエスと一緒にいた人々が泣き悲しんでいるところへ行って、このことを知らせた」(マルコ16・10)。エマオの旅人に関連した箇所では、「この二人も行って残りの人たちに知らせたが、彼らは二人の言うことも信じなかった」(マルコ16・13)。イエスが弟子たちを派遣するにあたり、「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい」(マルコ16・15)。イエスの昇天の場面では、「弟子たちは出かけて行って、至るところで宣教した」(マルコ16・20)。

 「行って、告げる」に関連した内容がマルコ16章には何度となく使われていますが、16章13節までは「行って、告げる(知らせる)」ように、自分の場から出発して、イエスのことについて話したり、報告したりするような内容になっています。ところが、16章15節からはキリストの復活のことが分かり、しっかりと把握したあと、「福音を宣べ伝える」内容に発展していきます。「行って、告げる」内容、つまり、それまで報告のようなものから、宣教活動に変わっていくところに、一つの新しさが感じられます。

 弟子たちも最初からイエスの復活のことが分かったわけではなく、時間をかけて少しずつ分かっていきました。理解するためには時間が必要でしょう。少しずつ理解し、やがて宣教活動へと変わっていきます。

 今日、私たちが復活をお祝いする中で、日ごとにキリストのことを学びながら、少しずつ分かっていき、一人の宣教者へと成長していくことを願いたいものです。

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