序)「使徒信条」の中で「教会は一、聖、公(普遍)、使徒継承」と宣言いたします。四つの中でも、今日は「使徒継承」について考えてみたいと思います。
1 教会は使徒継承
教会が使徒継承であるのは、使徒たちの上に建てられたかれです。そこには三つの意味が込められています。
➀教会は「使徒という土台の上に」(エフェ2・20)建てられたものです。使徒たちはキリストご自身によって選ばれ、宣教に派遣された証人です。
②教会は、自分のうちに住まわれる霊に助けられて、使徒の教え、委ねられた善、使徒たちから聞いた健全なことばを守り、伝えます。
③教会は、キリストの再臨の時まで、使徒たちの司牧の任務を受け継ぐ人々の働きを通して、使徒たち自身によって教え、聖化し、導かれています。その任務を受け継ぐ人々とは、ペトロの後継者である教会の最高牧者と一致し、司祭たちに補佐される」司教団のことです。
2 使徒たちの派遣
イエスは御父から遣われたかたです。宣教の初めから、イエスは「これと思う人々を呼び寄せられ、…12人を任命されました。彼らを自分のそばに置くため、派遣して宣教させるためでした」(マルコ3・13~14)。イエスから「遣わされた者」(ギリシア語ではアポストロイ)、すなわち「使徒」となりました。イエスはご自身の使命を使徒たちを通して続けられます。「父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす」(ヨハネ20・21)
したがって、使徒たちの務めは、イエスご自身の使命の継続です。「あなたがたを受け入れる人は、わたしを受け入れ」(マタ10・40)ると、イエスは十二使徒に言われました。
3 使徒の任務
キリストの使徒は、自分たちが神から「新しい契約に仕える者」(二コリ3・6)、「神に仕える」(二コリ6・4)者、「キリストの使者の務め」(二コリ5・20)を果たす者、「キリストに仕える者、神の秘められた計画をゆだねられた管理者」(一コリ4・1)にふさわしい者とされたことを知っているのです。
4 司教は使徒の後継者
使徒たちは、「自分に委ねられた使命が自分たちの死後にも続けられるように、その直接の協力者たちに、いわば遺言の形で、自分たちによって始められた仕事を完成し、堅固する任務を課し、神の教会を牧する者として聖霊が彼らを群れの中に置かれたその群れの全体に気を配るように、彼らに勧めました。
「使徒の頭であるペトロ一人に主から授けられたものであり、そしてその後継者に伝えられてゆくべきものである任務が永続するようにと同じように、教会を司牧するという使徒の職務も永続するのであって、司教の聖なる任位によっていつまでも行使されるべきものです。
教会全体は、ペトロと使徒たちの後継者を通して信仰と生活とがその起源とつながっているという意味で、使徒的です。また、教会全体が全世界に遣わされているという意味で、使徒的です。教会のすべての成員は、それぞれが異なった方法でこの使命に参加します。