コロナ禍による3年間の活動自粛の中、歴史学者であり、カトリック司祭である著者は、何を思い、何を展望したのか。学問的視座に基づく緻密な洞察と、信仰に裏打ちされた深い思索の光は、殉教、宣教、異文化受容、エキュメニズム(教会一致)運動、宗教対話、科学と信仰、メディア、そして平和と、「万華鏡」のごとく煌めきを見せて広がって行く。バチカン図書館に眠る和紙に書かれた17世紀の古文書に、最新の科学技術の光を当て解明を図るなど、近年マスコミからも注目される上智大学教授、川村信三神父の初の時代エッセーである。本書は、週刊「カトリック新聞」に連載された「カトリック時代エッセー」に手を加えたものである。
「三十年後、百年後、まだ図書館というものが存在しているなら、書棚に残った本書を偶然手に取ってくれる人がいるかも知れない。そのとき、あの『激動の時期』、当事者は何を考え、何を希望して生きていたのかを知るささやかな資料としてくれるならば、著者にとって望外の喜びである。」(著者・はじめにより)
著者:川村信三
判型:B6版並製
ページ数:316ページ
定価:1,980円(本体1,800+税10%)
ISBN:978-4-8056-3924-5
発行所:サンパウロ
発行日:2024年1月25日