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カトリック入門

第136回 無原罪の聖母マリア【動画で学ぶ】※レジュメ字幕付き

*司祭になる前、四年間、世田谷区にある聖アントニオ神学院で過ごし、神学を学びました。12月8日の無原罪の聖母の祭日近くになると、いつも9日間のノベナがささげられました。ノベナの結びのところで、祈願文があり、その中に「ドン・スコトゥス」(1266年~1308年)の名前が登場していました。どうして彼の名前が出てくるのか、とても不思議だったのですが、彼がフランシスコ会の神学者であること、また無原罪の聖母の教義決定のために尽力したというのが、一つの理由だったように思います。
*ドン・スコトゥスは、1993年、ヨハネ・パウロ二世教皇によって列福された。

1 無原罪の教義決定
*聖書の中で、み使いガブリエルはマリアに、「喜びなさい。恵まれた方よ。主はあなたとともにおられます」(ルカ1・28)と語ります。マリアは使命を告げられ、信仰によって同意していくには、神の恵みに満たされていなければなりません。
*神の惠みに満たされたマリアが、その母の胎内に懐妊された瞬間から贖われていたことを明らかに知るようになりました。教皇ピオ9世によって、1854年に無原罪の御宿りについての教義が決定されました。
*教義決定にあたり、教皇は次のように語っています。「人類の救い主キリスト・イエスの功績を考慮して、処女マリアは、全能の神の特別な恩恵と特典によって、その懐胎の最初の瞬間において、原罪のすべての汚れから、前もって保護されていました」と。
*マリアが「ご自分の御宿りの最初の瞬間から」飾られていた「まったく特別な聖性の輝き」は、全面的にキリストに由来するものです。マリアは「子の功徳が考慮されて格別崇高なる仕方で贖われ」たのです。御父は他のいかなる人間にもまして、マリアを「キリストにおいて、天のあらゆる霊的な祝福で満たしてくださいました」(エフェ1・3)。「天地創造の前に」神は、マリアを「愛して、ご自分の前で」聖なる者、汚れない者にしようと、「キリストにおいてお選びになりました」(エフェ1・4)。

2 東方教会では
*東方教会の教父たちは、神の母を「まったく聖なる者」【パナギアン:パナ(すべて)+ハギア(聖なる)】と呼び、「聖霊によって造られ、新しい被造物に形成された者、あらゆる罪の汚れを免れた者」として祝います。神の惠みにより、マリアはその全生涯にわたって自分で罪を犯すことはまったくありませんでした。

3 聖イレネオの言葉
*聖イレネオの言葉として、「マリアは『従順によって、自分と全人類にとって救いの原因となった』のです。このために少なからざる古代の教父は…、『エバの不従順のもつれがマリアの従順によって解かれ、処女エバが不信仰によって縛ったものを、処女マリアが信仰によって解いた』と好んで説いています。そしてエバと比較して、マリアを『生ける者の母』と呼び、『エバによって死、マリアによって生命』としばしば述べています」。

4 ルルドとの関わり
*無原罪の教義決定は、1854年だった。
 1858年2月11日、聖母がルルドで14歳だったベルナデッタに出現なさいました。ベルナデッタの問いに「私は無原罪の母マリア」と答えたという。「無原罪」(Immaclata Conception)は難しい教義ですが、少女ベルナデッタは、暗記したことを忘れないように、「無原罪の聖母マリア、無原罪の聖母マリア」と繰り返し、そのことを主任司祭に語ったそうです。主任司祭は少女のベルナデッタがこの教義について語ったことに、非常に驚いたといわれます。「無原罪の聖母」についての教義は制定されたばかりで、14歳の少女にはわかりにくい言葉だった。主任司祭は「どうしてこの少女が知っているのだろう」と。
*ルルドの出来事により、無原罪の教義は堅固なものとなった。

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