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会員たちのコラム

シノドスの歩みの中で思うこと 澤田豊成神父

 今、わたしたちカトリック教会は教皇フランシスコの呼びかけのもと、世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会をおこなっています。このシノドスは2021年10月から全教会で始められました。その後、教区ステージ、大陸ステージを経て、2023年10月のシノドス総会第一会期、2024年10月のシノドス総会第二会期を経て閉じられる予定です。

 第二バチカン公会議後に始まった、これまでのシノドスとの決定的な違いは、「準備期間」と考えられてきた総会前の歩みもすべてシノドスの歩みであり、そこに全教会が重要な意味を見いだし歩んでいくということです。このシノドスの歩みがどういう結論に行き着くのかはかかわっている人も分からないと言います。

 実際に歩みをしながら、聖霊の導きを識別しつつ、また聖霊の導きに信頼しつつ前に進んでいくということなのでしょう。だから、シノドスの歩みがまだ十分に熟成されていないと判断した教皇は、2024年10月の第二会期を設け、そこまでシノドスの歩みを延長しました。

 わたしたちが今やっていることは、神の前で教会の(そして、修道会も含めたあらゆる団体の)あり方、歩み方、方向性にかかわることです。「参加すること」、しかし参加を呼びかけることから始まって、参加に意味があることを理解してもらい、参加したいと感じてもらえるまでには忍耐が必要です。

 「聞くこと」、しかし多くの人は自分が聞くことではなく、自分が聞いてもらうことを求めます。「識別すること」、この識別もシノドス的な歩みでなされますが、最終的には識別する責任を担っている人がいて、次の歩みのためには、なぜその識別なのかを皆に説明する必要があります。

 教会の召命、修道会や奉献生活の会の召命のためにも同じ歩みが当てはまります。それを会員皆のシノダリティーの中で実現していくこと。若者たちにわたしたちの使命に魅力を感じ、「参加」したいと感じてもらうこと。彼らに徹底して「聞くこと」。かかわった会員たちがそれぞれの意見を交わしながら「識別」の歩みをしていくこと。

 理想と現実が違うと言われればそれまでです。ですが、日本人の召命が少ない中で、また言葉の違うベトナム人の被養成者を育てる中で、そのために献身している会員がいます。会員に問いたいと思います。では、その中で会員全体における召命に関する「シノダリティー」とは何を意味するのでしょうか。答えがあるわけではありません。でも、せめて全員とは言わなくとも、修練者以上のベトナム人会員の名前は覚えるようにしましょう。有期誓願者ヴー神学生(ローマ)、ビエン神学生(ベトナム)、今年入修練するドゥック神学生(ローマ)。

 修道会全体の識別の歩みも大変です。同時に、召命の職別も大変です。皆様のお祈りだけでなく、積極的な協力をお願いいたします。

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澤田豊成神父

聖パウロ修道会司祭。1965年、東京都目黒区生まれ。1996年、司祭叙階。教皇庁立グレゴリアン大学神学科修士課程で聖書神学を専攻、神学修士号取得。現在は編集をとおしての宣教に従事。東京カトリック神学院、聖アントニオ神学院講師。

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