黙想の目的は、意志を強め、よい決心を新たにし、また、それを堅固にすることにあります。毎日、少なくとも三十分を黙想にあてます。
司祭あるいは他の人が黙想を指導するときは、そのことばに温順に従います。個人で行うときは、自分にふさわしい書物を選びます。特に、永遠の真理や福音書、あるいは権威ある解説書に述べられている道・真理・いのちである師イエスの教えについて、しばしば黙想すること。黙想を、単なる知的教養、あるいは霊的読書にしてしまう危険に陥らないように注意しなければなりません。このため、それ相当の時間が反省や究明、痛悔、決心、祈願にあてられるように。
黙想の構成
準備の祈り
神の前にいることを意識して、聖霊の光と効果的な決心を立てることができる恵みを願い求めます。
第一部
黙想のテーマを発展させながら読書します。ここでは特に知性を働かせます。師イエスは真理の光をもって照らしてくださるでしょう。単純に、一つの秘義、またはイエス・キリストの生涯や受難に関する一つのエピソード、あるいは一つの実際的な格言、永遠の真理の中の一つを取り上げて観想します。こうしてわたしたちは、師イエスの教えに従うことのすばらしさと必要性を感じて喜び、寛大な愛をもつ忠実な者に主から約束された報いとして、神との一致の生活を味わうでしょう。
第二部
生活の聖化を深く望み、わたしたちに先立って天の国への道を進まれたイエス・キリストに熱心に従うよう意志を駆り立てます。そこで、希望のうちに過去を反省し、罪を悔やみ、将来の決心を立てます。 第三部 特に堅忍の恵みを求めて祈ります。弱さのためにまだ実行できない徳について、それを身につけることができるよう、容易に実行していくことができるよう、忍耐強く祈ります。
感謝の祈り
神の恵みに感謝し、決心をささげ、これを固く守るための恵みを祈り求めます。
黙想前の祈り
師イエス、今ここに、あなたがおられることを固く信じます。
最高の善であるあなたのみ前にへりくだり、心を込めて礼拝します。
わたしの知恵を照らし、心を動かし、この黙想が実り豊かなものとなるよう恵みを与えてください。
黙想後の祈り
師イエス、この黙想を通してわたしを照らしてくださったあなたに感謝します。黙想中のわたしのいたらなさをゆるしてください。
立てた決心をあなたにささげ、これを実行するために必要な恵みを求めます。
『パウロ家族の祈り』より