*創世記の中で、「神はご自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された」(1・27)と記されています。
神様はたくさんのものを創造されますが、「神にかたどって創造」されたものは、人間だけです。
1 神にかたどって
*創造されたものの中で、人間がいかに大事にされたものであるかが分かります。
人間だけが、知性と愛によって神のいのちにあずかるように招かれています。ここに人間に対する尊厳の根拠があります。
*シエナの聖カタリナの言葉に次のような表現があります。
「何が原因で、あなたは人間にこれほど大きな尊厳をお与えになったのでしょうか。それは、はかりしれない愛にほかなりません。その愛をもって、あなたはお造りになったものをご自分のうちに眺め、その愛のとりことなられました。実際、あなたが人間を造られたのは愛によってであり、また、人間をあなたの終わりのない善を味わいうる損じになさったのも、愛によってです。」
2 肉体と霊魂から成っている一つの存在
*神にかたどって造られた人間は、肉体的であると同時に霊的です。聖書の中に、「主なる神は土のちりで人を形づくり、その鼻にいのちの息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった」(創世記2・7)神様の働きによって、息が吹きかけられることにより、生きる者となっていきます。
*ギリシア語の「プネウマ」は、霊、息、風、魂を意味しています。目には見えないけれど、生きていく上で不可欠なものです。神様の息が吹きかけられることにより、生きる者となる人間の素晴らしさが表現されています。生きる素晴らしさを味わうものです。
3 男と女に創造された
*神によって男と女が創造されていきます。男女の平等も相違も神の望みによるものです。
男女は人格として完全に平等であり、他方では男と女という違いを持つものとして造られました。「男であること」「女であること」は神が望まれたものです。そこに神の英知と善が反映しています。
*男と女は「相互のために」造られました。神は男女を「不完全な人間」として造られたのではありません。お互いが相手の「助け手」となるためです。両者は人間として平等であり、補い合うものです。神の意図によれば、男と女は、神の「協力者」としての使命を持っています。