序)『カトリック教会のカテキズム』は、1992年10月11日に公布され、1992年12月7日に、発表されました。これは第二バチカン公会議開会30周年を記念してのことです。もともと1985年の臨時シノドスの要望に応えて、ヨハネ・パウロ二世教皇によって任命された編纂委員会が6年かけて完成したものです。
新しいカテキズムでは、キリストの教えに対する現代の疑問に答えるために、新しい形で教義の説明がなされています。現代に生きる私たちが、使徒たちから伝えられた信仰を理解し、受入れ、人々に伝えるために役立つことを目指しています。
1)人生とは―神を知り、愛すること
1 神は無限に完全、至福そのもの、慈しみによる計画から、ご自分の至福ないのちにあずからせる人間を自由に創造された。
いつ、どこでも、人間に親身に心を配り、呼びかけ、人間が全力を尽くして神を求め、知り、愛することができるように助けておられます。
神は、罪によって離れてしまったすべての人をご自分のただ一つの家族、教会のうちに呼び集めておられます。
そのために、時が満ちた時に、御子イエス・キリストを贖い主、救い主として派遣した。
2 神の呼びかけが世界中に響きわたるように、キリストはご自分で選んだ使徒たちに福音を告げ知らせる任務を与え、彼らを派遣された。
「あなた方は行って、すべての国の人々を弟子にしなさい。父と子と聖霊の名に入れる洗礼を授け、私があなた方に命じたことを、すべて守るように教えなさい。私は代の終わりまで、いつもあなた方とともにいる。」(マタ28・19~20)
この使命を受けた使徒たちは「出かけて行って、至る所で宣教しました。主は彼らとともに働き、彼らの語る言葉が真実であることを、それに伴うしるしによってはっきりとお示しになった」(マルコ16・20)
3 神の助けにより、キリストの呼びかけに耳を傾け、これに自由に応じた人々は、キリストの愛に駆られ、世界の至る所で福音を告げ知らせるようになった。
2)信仰を伝えるカテケジス
4 カテケジス(要理教育)は、児童、青年、大人の信仰教育で、信者をキリスト教的生活に導くために、組織的かつ体系的に行われるキリスト教の教授法。
カテケジスは教会の生活全体に堅く結ばれている。地理的拡大および数的増加を目指しているのではない。
5 カテケジスは教会刷新と関連する。例えば、
エルサレムの聖チリロ、聖ヨハネ・クリゾストモ、聖アンブロジオ、聖アウグスチヌス
トレント公会議時代の「ローマ・カテキズム」、聖ペトロ・アニジオ、聖カロロ・ボロメオ
パウロ六世時代の「カテケジスの一般指針」(1971年)、「福音宣教」(1975年)
3)構造
1 信仰宣言
2 信仰の秘跡
3 信仰に基づく生活
4 信仰生活における祈り