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みことばの響き

癒し 四旬節第4主日(ヨハネ9・1~41)

 最近、「癒し」という言葉をよく耳にするようになりました。逆に言えば、「癒し」が必要なほど疲れきっている人が多いということでしょう。昨年、年間の自殺者は二万人を越えています。この要因には、日ごろ疲れている人が増えているからでしょう。

 「癒し」に効果的なものは音楽や香りなどです。その点、アイルランドのケルト音楽やハーブなどは効果的だと言います。同じヨーロッパに位置するフランス、イタリア、スペインの音楽や香りではなくアイルランドのものが…。不思議に思えるかもしれませんが、アイルランドで生活してみると、なるほどと思ったりもします。

 例えば、アイルランドの緑。日本の冬だと芝生は黄色く枯れ果てた状態になりますが、アイルランドでは緑そのもので、とても生き生きとしています。ダブリン市内からほんの少し郊外に出るとしましょう。真冬でも鮮やかな緑色の芝生が目に入ってきます。また郊外にある修道院の近くをのんびりと散策すると、あちこちの家庭の庭、放牧場などの緑も目に入ります。まさにアイルランドで目にする自然の緑色は、目に潤いを与え、疲れを癒す原点なのかもしれません。
 
今日のみことばで目の不自由な人の癒しが語られます。「イエスは地面に唾をし、唾で土をこねてその人の目にお塗りになった」と言います。現代の医学からするととても奇妙な治療法ですが、その当時としては通常の行為でした。イエスの手により、目が癒され、生まれつき見えなかった目が見えるようになります。

 目に限らず、私たちはイエスによってどのように癒されているでしょうか。心をも癒すイエスの愛情に心を委ねてみましょう。

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