ミサ曲
これまで、日本語でのミサの式次第の変更について、「またあなたとともに」という表現、そして「いつくしみ」という表現について話をしました。それと同時に、会衆にとって変化を感じることの一つは、いわゆる「ミサ曲」と呼ばれている4つの賛歌ではないかと思います。前回も触れましたが、この4つの賛歌、「あわれみの賛歌」、「栄光の賛歌」、「感謝の賛歌」、「平和の賛歌」は、それぞれ「いつくしみの賛歌(キリエ)」、「栄光の賛歌(グロリア)」、「感謝の賛歌(サンクトゥス)」、「平和の賛歌(アニュス・デイ)」と変えられました。
これらの賛歌は、これまで文語体で唱えられ、歌われてきましたが、今回、文語体の響きを尊重しながらも、すべて口語体へと変更されました。典礼や祈りの文章を口語体にするのはとても困難なことです。分かりやすさを求めてそうするのですが、これまで文語体に慣れ親しんできた人にとっては違和感があったり、荘重さが失われた感じを受ける場合もあります。分かりやすくなったがために、訳語の問題点を感じる人もいるでしょう。それは、「主の祈り」や「アヴェ・マリアの祈り」でわたしたちが体験したことです。まして、「賛歌」として歌い継がれてきたものを変えることに抵抗を感じる人は多いでしょう。
だからこそ、わたしたちはこの機会に、ミサ曲の意味、置かれている位置の意味を深く味わいたいと思います。その道具として、『キリストとわたしたちのミサ』の解説部分を使っていただきたいと思います。
月刊澤田神父