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信心のすすめ

聖体訪問(I)──信心のすすめ(32)

 「心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい。2 わたしの父の家には住む所がたくさんある。もしなければ、あなたがたのために場所を用意しに行くと言ったであろうか。3 行ってあなたがたのために場所を用意したら、戻って来て、あなたがたをわたしのもとに迎える。こうして、わたしのいる所に、あなたがたもいることになる」(ヨハネ14,1-3)

Ⅰ そこにイエスはあって、あなたを呼んでいらっしゃいます」(ヨハネ11,28)十四世紀から、聖体訪問の信心はますます広がってゆきました。四十時間の礼拝、聖体大会、聖アルフォンソ・デ・リゴリオ、聖ヨハネ・ヴィアンネー、エイマイトなどの努力によって広まりました。
 第二バルティモラの宗教会議は、もはや、次のようにすすめていました。「われわれは、特に、信者が聖櫃にこもる、聖なる客人へのたびかさなる訪問からもたらされる偉大な恵みについて、教育されることを望む。それゆえ、この、敬虔な義務を、ことばと模範をもって、すすめることは、霊魂の牧者のつとめである」と。
 トレント公会議は、教会の実践していることに従って、信者がこの秘跡に対して、最大の信心を、払わなければならない、と言っています。と言うのは、この秘跡は、礼拝し、食するために制定されたからです。実際、そこには、神のおん子自身がおられるのです。おん子のおん父は、ご自分の子を世におくったとき、神のすべての天使たちは、彼を礼拝せよ、と言われました。聖アルフォンソは、次のように書いています。「人々との会話をやめて、毎日のある時間を、聖体にこもるイエスとともに、どこかの教会で少なくとも半時間もしくは十五分間をすごしなさい」と。「主が甘美であるかを味わい見よ」(詩編33,9)それを経験してごらんなさい。そこから、多くのよいことを、さがし当てるでしょう。聖ヨハネ・クリゾストモは、礼拝し、拝領しなさい、と言っています。

Ⅱ 聖体訪問は、道・真理・生命であるイエス・キリストとの親密な交わりにひたらせます。
 彼は、道であります。生活の中で、私たちは、ベトレヘム、ナザレでの生活 パレスチナの地、受難におれるイエス・キリストが実践なさっておられる徳、すなわち、謙遜、沈黙、純潔、従順、愛徳などを、黙想します。私たちの良心の糾明をいたしましょう。私たちは、彼の聖なる模範を私たちの中に写しましょう。そうしてこそ私たちは彼の姿と、霊的な容姿を自分のものとするのです。私たちは、特に、私たちの心が、イエスのみ心に似たものとなるようにと嘆願いたしましょう。
 彼は真理であります。彼は霊魂を教育します。そしてますます生きた信仰を霊魂に注いでくれます。彼は、霊的な光りとなり、あらゆる理論と実際的な解決の原理となりくす。
 霊魂は、神学的、超自然的、神的なメンタリティーを形成せしめられます。これらすべてのことを一言で言えば、キリスト教的メンタリティーを与えられます。イエス・キリストに対して、信仰告白を、つぎのようにします。「五官のたらざるところを信仰が、補ってください」と。実に、ここに「生命の神秘」があります。
 彼は生命です。霊魂は、イエス・キリストによって生かされなければなりません。彼はどこてにでも、ご自分の恩寵とあわれみを分かち与えますが、聖アルフォンソも言うように、いかなるところよりもここほどではありません。「霊魂が聖体のみもとよりも、もっと美しい決心をいったいどこでなしえたかをだれが知っているだろうか。あなたがたがこの秘跡のみまえで、いつの日か、神に完全に自分をささげる決心をしないと、いったいだれが知っているだろうか」と。同聖人は、自分自身の例をはじめ、B・スゾーヌ、聖マルグリート・アラコック、聖フランシスコ・レジス、聖アロイジオ・ゴンザガ、聖ヴィンセンスラオ・レ、聖女マリアマグダレーナ・パッチの例をあげています。

Ⅲ 主よ、私をして、あなたを知らせてください! 聖櫃に現存しておられるあなた自身が隠れた偉大な宝であることをしらせてください。私をあなたに引き寄せてください。いつの日か、「私が病人であったのに、私をおとずれてくれなかった」という叱責を聞くことがありませんように。

・糾明───私は、聖体訪問をしているだろうか。どのくらい、どんな方法で、訪問しているだろうか。
・決心───「聖なる秘跡を永遠に礼拝する」。死のきわの最後の聖体拝領をするとき、それは、私にもっともなぐさめにみちた時となるだろう。
・祈り───「イエスよ、あなたは、誕生において、兄弟となり、聖体においては、食物となり、死においては、救いの手段となり、王国においては、私たちのために報いとなられました」。「おお、天の国を開かれた救いのホスチアよ、敵は、私たちに戦いをいどんでいます。どうか、私たちに力と助けとを与えてください」

『信心のすすめ-自己の聖化と人々の救いのために』アルベリオーネ神父(サンパウロ・1974年)
※現代的に一部不適切と思われる表現がありますが、当時のオリジナリティーを尊重し発行時のまま掲載しております。

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