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みことばの響き

魚釣り 年間第5主日(ルカ5・1~11)

 今はコロナ禍で郷里の松浦市でのんびりと休暇を過ごすことができませんが、以前、平穏な時、一度は魚釣りに出かけたりします。平戸口と平戸の間にある平戸の瀬戸へ。釣り糸を垂れ、潮風に当たっていると、時の流れを忘れてしまいそうです。魚が釣れようが釣れまいが、釣り糸を垂れるだけでもちょっとした気分転換。私の隣で釣っている人はと言えばプロ。気休めの私とは違い、釣竿、仕掛け、エサにいたるまで違います。話を聞いてみればイシダイを釣るために、ウニを使っているとのこと。魚のエサにするより、こちらが食べたくなるくらいのとても立派なウニ。他にも、どのポイントがよく釣れ、どの深さがよく食いつき、潮の流れまで計算に入れているようです。まさにプロの世界。

 さてペトロはガリラヤ湖で夜通し漁をしますが、何も取れませんでした。長年、漁をして生計を立てているプロの漁師ペトロにしてみれば、どんなに失望したことでしょう。大工さんの仕事を手伝っていたイエスがペトロに「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と命じますが、ペトロにしてみれば、漁のことをよく知らないイエスに「網を降ろせ」と命じられても筋違いだと思ったのではないでしょうか。それはともかく、ペトロはイエスから言われたことに素直に従い、網を降ろします。すると「おびただしい魚がかかり、網が破れそうに」なります。「おびただしい」はギリシア語で「プレトス」が使われ、それは「多数の、大量の」の意味があり、大漁だったことを物語ります。イエスのことばに耳を傾け従うならば、どんなに数多くの恵みがあるかを示すメッセージです。

 一生懸命働いたにもかかわらず、実りがなくて失望したペトロは、イエスの言葉によって癒されていきます。素朴さや謙虚さをもってイエスに従うペトロの姿は、私たちのモデルです。

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