序)信仰とは超自然の徳であって、これによって人は神の知性を奉献し、神から啓示されたことがらを受け入れて、己を神に委ねます。
1)宗教によって信仰の違い
信仰は、宗教生活全体の源泉であり中心である。神が歴史の中で実現していく計画に、人間は信仰によって答えなければならない。神との信頼関係。(一ヨハ4・16)
信仰の歴史はアブラハムに始まる。
アブラハム:約束する神を信じる。逆境にあっても、神とその言葉を信じる。(ロマ4・18~22)
試練の時がきても、自分の息子イサクをいけにえに出すほど、彼の信仰は強い。アブラハムは「信仰の父」とも呼ばれる。
モーセの信仰は完全ではなかったが、神への誠実を貫徹しようとする。仲介者。(ヘブ11・23~29)荒れ野を旅している間、人々を導いて苦労する。
ダビデは信仰によって国々を征服し、善政を敷く。(ヘブ11・33)
ヘブライ書11章には、「先祖たちの信仰」が記されている。
*信仰の危機
偶像礼拝、形骸化した祭儀、武力による救いの追求
↓
約束を守る主への信頼(イザヤ)
2)イエスと信仰
聖書の中に、信仰についての記述がよく出てくる。
*マリアの信仰は模範的
「恐れることはない、マリア。あなたは神の恵みを受けている」とみ使いが告げる(ルカ1・30)
「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように」とマリアは語る(ルカ1・38)
*イエスの言葉
神への信頼「命のために何を食べ、何を飲もうか、思い煩ってはならない」(マタ6・25)毎日、いろいろな煩いがある。空の鳥を見なさい…。神への信 頼。
「聞こうとしたが、聞くことができなかった」(マタ13・16~17)
種まきのたとえの説明(マタ13・18~23)信じる者
ペトロの信仰告白(マタ16・13~20)
ペトロの否認(マタ26・69~75)キリストに勇敢に従う信仰がない。
貧しい者の信仰を完成する→「わたしの神、わたしの神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」(マタ27・46)
弟子たちは、イエスの復活に出会い、復活を信じて、復活の証人となる。彼らの信仰は、殉教を覚悟するほど強くなる。ヨハネ以外、みんな殉教する。
3)キリスト者の信仰
*パウロの言葉
「わたしたちは、十字架につけられたキリストを宣べ伝えている。」(一コリ1・22~25)
信仰によって人は義とされる(ロマ3・21~30)
アブラハムの信仰について語る(ロマ4章)
復活の信仰
*神との信頼関係
神の呼びかけに「はい、主よ、私は信じます」と答える人こそ、信仰者。その人は、神の忠実を全生涯の基本とし、死をも神のみ手にゆだねる。
キリシタン時代の殉教者たちは、死をも神のみ手にゆだねた。
日本にもたくさんの殉教者たちがいる。
4)私たちの信仰
*信仰は、キリストを通して人類に語り掛けてくれた神に対する応答。神の呼びかけに対して答えていく。
「神よ、わたしはあなたを信じます」と叫びが生じてくる。
信仰は、父なる神と主イエス・キリストに信頼することである。
「アーメン」は応答の一つ。
初代教会の信者たちは、「心と魂とを一つにしていた」(使徒4・32)彼らは互いに許し合い、神の愛を信じ、互いに信頼しあっていた。