序)
• ミサとは?
ミサとは、イエス・キリストの十字架上での死と復活が記念され、キリストの御からだと御血とが神にささげられ、信者に永遠のいのちの糧として与えられる教会の祭儀です。
いけにえを神にささげるのは、目に見えるささげものによって神への人の心の奉献を表すためです。旧約時代には、モーセの律法に従って、いろいろな動物やその他の供え物がささげられましたが、これらはすべて、後の時代のキリストの救いのいけにえのかたどりです。新約においては、キリストご自身がいけにえとしてささげられました。(ヘブ9・1~10・18参照)
2) ミサの意味
ミサにおいて、十字架におけるキリストのいけにえの奉献が記念され、秘跡的に再現され、永続され、教会によってかしらであるキリストとともに世の終わりまでささげ続けられます。
パウロはミサの儀式を「主の晩餐」と呼んでいますが(一コリ11・20)、大聖グレゴリオ教皇の時代くらいから、ラテン語の「ミサ」という言葉が使われるようになりました。ミサの最後に、ラテン語で、Ite,missa estと司祭が唱えます。「行きましょう、主の平和のうちに」の意味で、この中の,missa(派遣)の意味が込められています。
*ミサの名称
古代ローマの裁判所などで「退出」(missio)を指すのに用いられていましたが、キリスト教共同体の祭りの神秘においては、その祭儀の退出(Ite, missa est)の際に言われたことばから、その祭儀自体を指すためのことばに転用されていった。記録的には大聖レオ教皇の手紙にすでにみられ、5世紀からイタリア、フランス、アフリカなどで用いられるようになった。大聖グレゴリオ教皇の時代になって、現在の意味と同様に使われるようになった。
教会の信仰によれば、ミサのときにイエスから委託にもとづいて司式司祭が述べている言葉により、パンとぶどう酒はイエス自身の体と血、すなわち、わたしたちのために死んで復活した主イエス・キリスト自身になり、それを通して、イエス自身がわたしたちを訪れ、わたしたちの全生涯の奉献がキリストの永遠の奉献と合流するようになります。
3)ミサの流れ
開祭の儀
あいさつ
回心
ことばの典礼
(旧約聖書・新約聖書の朗読を中心とするみことばの祭儀)
感謝の典礼
感謝は「エウカリスチア」(聖体)とも言われる。
交わりの儀
「主の祈り」
聖体拝領(キリストをいただく)
閉祭の儀
結び:ミサにおいて、みことばを味わい、キリストの体をいただき、キリストと一致する。