1) 病者の塗油とは?
病者の塗油とは、病気(事故、老衰を含む)で生命が危うくなった信者を助け強める秘跡です。
洗礼を受けていることが条件です。
聖書の引用(ヤコ5・14~15)
昔は「終油」と言われた。これだと、もう人生最後という感じだった。
中世期には、「死にゆく者の秘跡」「臨終の秘跡」とも言われた。まさに「終油」。
2) 方法
病者の塗油は、司祭が聖なる油(聖香油のミサで祝福した油)で額と両手に十字架をしるしながら、「この聖なる塗油により、いつくしみ深い主・キリストが、聖霊の恵みであなたを助け、罪から解放してあなたを救い、起き上がらせてくださいますように」と唱えることによって行われる。
司祭は、病人の回復のための祈りをささげる。
式次第
按手
信仰の祈り
祝福された油について感謝する祈り
塗油
3) 準備と心構え(塗油を受ける人)
ゆるしの秘跡を受け(もしそれができない場合、少なくとも悔い改めの心を起こし)、信頼と祈りとをもって神の御助けを受けるように心がける。
病者の塗油の秘跡は、一応危険が去って危うくなったときに、新たに受けることができる。
あるいは同じ危険が増大した場合にも新たに受けることができる。
この秘跡は、時期を失することなく早めに受けるように心がけたほうがよい。
教会によっては、敬老の日に近い日曜日のミサで、病者の塗油を授ける時がある。
4) 配慮
病者のまわりにいる信者は、病人のために、このことを配慮することがたいせつ。
5) 私の司牧的経験
この秘跡が終わったあと、ほっとされる方が多い。
人によっては、安心してそのまま天国に召されていく方もある。